【総合商社】豊田通商FY2018利益は1,326億円、前年比1.8%増益

会計Topic
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豊田通商FY2018の決算概要

(令和に仕事を持ち越さない為か)
有難いことに豊田通商もGW前の決算発表です!
それでは決算短信を片手にどうぞ!

決算説明会(2018年度)
決算短信や決算説明会資料をご覧いただけます。豊田通商はトヨタグループの総合商社として、7つの事業領域で豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業を目指します。


決算の概要は、
収益 6.7兆 +4.2%
営業活動に係る利益 2,152億 +17.8%
当期利益 1,326億 +1.8%

3期連続で最高益達成の様です!

決算短信のPDFのURLです↙︎

https://www.toyota-tsusho.com/ir/presentation/earnings-presentations/upload_files/2019034Q_KessanTanshin%28J%29.pdf

損益計算書上のTopic

会計基準の影響が軽微な収益

収益は6.5兆→6.8兆と微増
短信によれば豊田通商もIFRS15号をFY2018から適用とのこと。

同時期にIFRS15号を適用している
三井: 4.8兆→6.9兆
伊藤忠: 5.5兆→11.6兆
のような大きな影響はなかったようです。

短信の収益の会計基準のパートには下記の記載があります。

収益の総額表示と純額表示
物品の販売、サービスの提供等において、当社グループが主たる当事者として取引を行っている場合は、収益を総額で、代理人として取引を行っている場合は収益を純額で表示しております。主たる当事者か代理人かの判定に際しては、下記の3つの指標に基づき総合的に判断しております。
・顧客の注文の前後、出荷中または返品時に当社グループが在庫リスクを有するかどうか
・他の当事者の財またはサービスの価値の設定における自由が当社グループにあるかどうか、また当社グループが当該財またはサービスから受け取ることのできる便益が制限されているかどうか
・当社グループが契約の履行に主たる責任を有しているかどうか    
なお、本基準の適用に伴う影響は軽微であります。

https://www.toyota-tsusho.com/ir/presentation/earnings-presentations/upload_files/2019034Q_KessanTanshin%28J%29.pdf P13


つまり、元々、純額ではなく総額計上する
豊通グループとしてリスクを負った取引が多かったという事でしょう。

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営業活動に係る利益

豊田通商は営業活動に係る利益を短信及び
その補足の連結損益計算書の双方に記載しているのが特徴的です。
伊藤忠は短信の1枚目のみ、三井は短信/損益計算書の双方に記載なし。

特にIFRS適用会社は日基準・米基準のような
営業利益という概念はないので読み手としては注意が必要

営業利益表示の区分も商社によって違いがあります。
伊藤忠:営業利益= 売総-販管費-貸倒引当金
豊通: 営業に係る利益= 売総- 販管費 -その他の収益・費用

また豊田通商のその他の収益・費用には
特に固定資産減損等も含まれておりますので、
イメージする営業損益とは少々ギャップがあるかもしれません。

比較的低い利益に占める持分法の利益の割合

豊通の
FY2017の持分法利益は113億/全体利益1,300億 9%
FY2018の持分法利益は43億/全体利益1,300億 3%

とその利益の多くを占める三井(60%)、
伊藤忠(46%)とはPLの構造が違うと言えるでしょう。

持分法での投資が多い=影響力はあるが、支配はしていない、という状態です。
投資の目的は究極的にはお金の回収にあるわけです。

ですから、支配していない持分法での投資よりも
単体及び支配子会社の利益の取込の方が配当等の資金回収が可能なため、
一般的には望ましい状態だと思います。

勿論、投資できるお金には限界もありますし、
持分法での影響力の行使の仕方も種々あると思いますので、
判断が難しく、投資担当者の腕の見せどころですね。

その他のTopic

異彩を放つアフリカセグメント

豊田通商のこの短信で異彩を放っているのは、
セグメントレポートでの”アフリカ”というコメントではないでしょうか?
なかなか思い切った良い切り口だと思います。
関係者によれば、他の有望な地域への進出が遅れたので、
アフリカへ舵を切ったなんて話を聞いたこともありますが、
そんな理由は関係なく、名乗ったもの勝ちですよね!

短信の中のセグメント情報を見てみると、その存在感の大きさたるや。

売上総利益ベースではアフリカ1,371億/全体6,384億 (21%)
当期利益ベースではアフリカ101億/全体138億 (8%)

また、当期利益ベースでは前年比でのれん減損の反動等ありますが、
+128億円(▲32億→+101億円)
今年度に特殊な一過性のプラス要因がないとすると、
コンスタントに100億円レベルの利益は出る体制となっていると想像できます。

アフリカに投資を張っているのは、
なかなか厳しい面もあると思いますが、是非頑張ってほしいですね!

その他包括損益の大きなマイナス

これ前の記事でFVTPLとFVTOCIを書いたのですが、
まさに今回この豊田通商の決算短信に現れていますね。

短信の1枚目の
親会社の所有者に帰属する当期利益1,326億円である一方、
当期包括利益合計額は708億円となっており、
その他包括利益で▲618億円も計上されています。

一般的に商社等利益を公表するときは基本的に当期純利益、
(豊通の場合は1,326億円) を重視します。

内容は補足資料内の連結包括利益計算書内の
FVTOCI金融資産の▲554億円がその大半を占めています。

これ案件まではちょっとわからないのですが、
支配力・影響力もない投資先の株式価値の評価減です。

税後ベースで当期純利益の約4割となると
結構インパクトは大きいですよね。
こういう点が読み手のセンスが問われる処です。

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おわりに

来期の予想は1,500億円の通期予想とのこと。

この記事見るとFY2018の見通しは3Q時点では
年間1,400億円(1,098÷78..5%) だったようです。

今期は見通しを守れるように、がんばれアフリカ!

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