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【2019年5月前半】総合商社プレスリリースウォッチ

2019年5月前半のプレスリリースです!

令和も始まり早三週間が経ちました!
個人的にはインドからの帰国などイベント盛りだくさんの5月ですが、
4月は新技術系への投資が目立った各社ですが、
総合商社各社の動きはどんな感じでしょうかね??

早速見ていきましょう!
(人事異動や決算公表についての開示は除外しています。)

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Contents

三菱商事

三菱商事の5月のビッグイベントは千代田化工建設への支援でしょうか。
プラント業界は苦境が続きますね。。

千代田化工建設株式会社 再生支援について

https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2019/html/0000037392.html

総額1,600億円の財政支援。人材の派遣などを行うようです。

ただ、総合商社からの人材の派遣ってどこまで効果があるのでしょうかね。
もちろん、過去千代田に出向していた方もいるとは思いますが、
やはり餅は餅屋なのでは?という気もしますが。

プラント業界の海外の現場では、
不測の事態でコストがかさむことも多々あるように聞きますし、
三菱商事からの出向でどこまでプロジェクトに規律が生まれるか?
というと、なかなか測定が難しい気がしますね。

もちろん財政支援は商社ががっつり援助できる範囲と思います。

千代田化工建設株式会社の財務強化策への対応に関するお知らせ

https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2019/html/0000037390.html

同上。
千代田は日本基準なんですね。
ちなみに千代田のプレリリースを見ると下記のように
キャメロンプロジェクトについての記載あります。
同月に三菱商事のプレスリリース(次の項目)でLNGの生産が始まったと、
リリースされている案件です。

米国にて遂行中のキャメロン LNG プロジェクトでは、第1系列の建設工事最終盤になって 手戻り工事と仕上げ作業が多数発生し想定外のコスト増が生じていること、加えて、 現場作業員の離職率が想定以上に高止まりする中、生産性の向上が期待できない状況も考慮し、 第2、第3系列においても工事最終盤に同様のコストがかかるものと想定し、完工までの ・・・略

https://www.chiyodacorp.com/media/8d6049337d9408b1b0b59a166058d450.pdf


米国キャメロンLNGプロジェクトのLNG生産開始

https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2019/html/0000037557.html

上述の千代田のニュースを受けてのリリースだと思います。

添付のリリースと下記の千代田のリリースを総合するに、
三菱が共同で投資するキャメロンが
千代田に液化設備の設計などを依頼していたところ、
コスト増などが発覚し千代田として損失を見込んだが、
無事になんとか生産が再開するので、安心してください
といったニュアンスでしょうか。

ただまだ見込みの模様。
千代田のイメージを間接的に向上させるべく、
早いタイミングでのリリースを決めたのでしょうが、
数週間であればもうちょっと待っても良かったのでは?と思います。
これ数週間のうちに出荷しなかったらどうなるんでしょうかね。。

2014年8月の最終投資決定以降建設を進めて参りましたが、この度LNG生産開始となり、数週間の内にLNG船に荷積みされ、初出荷される見込みです。

https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2019/html/0000037557.html

ちなみに千代田のサイトを見ると
最後の需要家は大阪瓦斯中部電力のようです。

https://www.chiyodacorp.com/jp/projects/freeport-lng-export.html

自己株式取得に係る事項の決定及び自己株式の消却に関するお知らせ

https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2019/html/0000037388.html

自己株買、流行っていますよね。
資本の効率性を表すROEは自己の株を買うことで上昇し、
より筋肉質な財務諸表になりますが、
それは自分の株を買う以外にお金の使いどころがありません、
というシグナルにもなりかねません。そのあたりセンシティブですよねー。

経営人材株式交付制度の導入に関するお知らせ

https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2019/html/0000037389.html

三井物産

物産の5月の動きはあまり大きくないですね。
5月は下記の他には人事異動・組織改編の動きだけでした。

ベトナム海老生産加工事業会社Minh Phu社への出資参画

https://www.mitsui.com/jp/ja/release/2019/1228684_11203.html

もともとこの子会社に出資参画していたようです。
三菱が鮭鱒をBSに700億円ほど、2018年度末のBSに乗っけていましたが、
三井のエビは持分法なのでとりあえずBSには乗っかりません。

この投資は三井が中期経営計画で決めた
食と農への分野の参画の一環とのこと。

伊藤忠商事

4月は昆虫ベンチャーへの投資など尖ったリリースが多かった伊藤忠ですが、
5月の前半時点でも所謂Fintech企業への投資をリリースしています。

自己株取得の状況に関するお知らせ

自己株式の取得状況に関するお知らせ

こちらも自己株買。
2019/2〜なので、すでに3ヶ月くらいは購入し続けているのですね。
総額1,000億円とのこと。

伊藤忠建機株式会社の株式譲渡に関するお知らせ

https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2019/190508.html

給与前払いサービス事業への参入について

https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2019/190515.html

従業員が給与を前払でもらえるサービスのようですが、
これどんな企業が参加しているのでしょうかね?
給与計算等の事務作業も委託できると非常に有用な気はします。

住友商事

4月は面白い投資が多くあった住友商事ですが、
5月はこれから、といった様子でしょうか。

ベトナム フンイエン省U-11サッカーチームへの支援について

https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2019/group/11840

建機オンラインマーケットプレイスを企画・運営するSORABITOへの出資について

https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2019/group/11900

今回の第三者割り当ては約9億円あり、
そのうちの5億円が住友商事、残りは伊藤忠建機のようです

建機の知り合いに聞いたのですが、
日本製の建機は中古品でも特にアジアで人気があるとのこと。
まぁ壊れないですもんね、、日本製。
インドから戻ってきて、日本製の素晴らしさを実感する日々です。
まぁたまに息くるしくもありますが。。

コーポレートメッセージ「Enriching lives and the world」について

https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/about/corporate-message

コーポレートメッセージって組織が大きくなると、
すごく薄くなってしまって何も感じないのですが、
やはりとても大事なものなんだと思います。

会計では判断に迷った時には基準に戻ることが求められますが、
同じように会社としてどう動くか?を考える際には、
このような指針が大事になります。
ですので、こういう変更はかなり大きな意味を持つのです。
(自分の会社のメッセージなんだっけ。。)

丸紅

当社に対する訴訟(反訴)の提起に関するお知らせ

当社に対する訴訟(反訴)の提起に関するお知らせ

これ短信の後発事象にも記載ありましたね。
インドネシアの現地の会社との訴訟のようで、
丸紅が訴訟の対象となっている債権に対して、
裁判で勝訴を得たにもかかわらず、それに対して逆ギレのような形で、
先方が訴訟を起こしているようです。

インドネシア・インドなどの国々はこういうややこしさが残るようです。
先方としては裁判を長引かせて、お金の支払を止めたいのでしょうかね。

ポルトガル水道事業会社の株式追加取得による完全子会社化について

ポルトガル水道事業会社の株式追加取得による完全子会社化について

2014年に産業革新機構と共同買収した水道事業会社の株式を
全て産業革新機構から購入したとのこと。
チリに続いての海外水道事業の子会社とのこと。
丸紅は電力というイメージ強いですが、
この辺りのインフラも結構触手を伸ばしているのですね。

分散型電源案件の開発支援サービスを提供する米国GridMarket社への出資について

分散型電源案件の開発支援サービスを提供する米国GridMarket社への出資について

分散型電力に関連し、AIを使用した最適な電力配分を目指す投資のようです。
電力分野におけるスタートアップへの投資ということで、
本業ともシナジーのありそうな投資と言えると思います。

ちなみに分散型電力とは下記のこと。勉強になります。

電力需要地に隣接して分散配置される中小規模な発電、蓄電設備全般の総称で、太陽光発電等の再生可能エネルギーも含む。電力需給システムの主流である大規模集中型電源に対する相対的な概念。

https://www.marubeni.com/jp/news/2019/release/20190508J.pdf

丸紅とSTORY&Co.の協業による「&mother」キャンペーンを開始
~母でもある大切なあの人へ物語を贈ろう~

丸紅とSTORY&Co.の協業による「&mother」キャンペーンを開始
~母でもある大切なあの人へ物語を贈ろう~

ちょっとこれ正直、電力との関わりはよくわからないのですが、
結果的には贈り物サービス事業へと繋げていきたいようです。

確かにこの贈り物サービスに関しては、ちょっと需要あるかな、と思っています。
amazonのウィッシュリストなど知らない人にものをあげる文化等が進んでいることもその一例かと。
ある程度豊かになると、他人に何かをあげたくなるのでしょうかね。

ネットワークソリューション分野強化のための子会社の合併について

ネットワークソリューション分野強化のための子会社の合併について

丸紅子会社である丸紅無線と丸紅ネットワークソリューションズの合併のようです。

AIによる水道管劣化予測ソフトウェアの英国における開発・事業展開について

AIによる水道管劣化予測ソフトウェアの英国における開発・事業展開について

AIを利用して水道管の劣化を測定するソフトウェアのようです。
ポルトガルの水道会社の子会社化の話もありましたが、
この辺り本業周りの新技術への投資を積極的に行っているように見えて、
とてもいいなぁと思います。

そしてこのプレスリリースの打ち方も、
外からの丸紅の見られ方・イメージをすごく意識して出されているなぁ、
という印象を受けます。

ちなみに丸紅の水道事業は下記の時代から取り組んでいるようです。

丸紅は、1990 年代より水事業に参画し、欧州、東南アジア、中南米における上下水道事業 の他、水処理施設の建設工事請負・運転保守管理、長期契約に基づく造水・売水事業に至 るまで幅広く事業を展開しています。

https://www.marubeni.com/jp/news/2019/release/201905171J.pdf

サウジアラビア王国におけるシュケイク3造水プロジェクトの融資契約締結・着工について

サウジアラビア王国におけるシュケイク3造水プロジェクトの融資契約締結・着工について

これも水ですね。丸紅すごい。この方針の一貫性。
先月のリリースも長野県との水事業の話が多かったですし、
このご時世だとこういう社会インフラ的な事業の方がウケが良い、
という事情もあるかもしれませんが、
これだけリリースできる丸紅もあっぱれです。(←何様。)

まとめ

5月前半は丸紅が驚異的にリリースを出していましたね。
しかも水・電力×既存技術・新技術みたいな、自分の得意分野でのリリース。
なかなか広報部good jobかと。広報への戦略を強く感じ取れます。

そして気になるのは、三菱。
千代田化工ここからどうなっていくのでしょうかね。
東洋エンジを抱える三井の動きも要注視でしょうか。

まずは、30日無料トライアル【ウォンテッドリー】



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