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【ソフトバンクグループ】FY2018 第3四半期 相変わらずド派手な決算短信

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登場人物のキャラが濃すぎるソフトバンクの決算

前回の記事でソフトバンクの決算について、
記載させていただきましたが、
あれ以来完全にソフトバンクの虜

こんなに面白い決算短信を作る会社はあるのか?と。
この資料だけでこんなにワクワクできる会社はないんじゃないでしょうかね?

というわけで、
先日(2019/2/6)にFY2018第三四半期の決算公表が有りましたが、
自分の会社の決算短信そっちのけで、
ソフトバンクの決算短信を食い入るように見てます笑

そして今回も入れ替わりの激しいこと激流のごとし。
もうどうしたらこんな会社を運営できるのかわかりませんし、
どうしたらこんな会社に投資できるのか?わかりません笑

投資家としては夢をかっている感じなんでしょうかね?
規模がでかすぎて一介のサラリーマンには全然
理解のできない話ばっかりで、投資の対象にすらならない笑

決算の概況

というわけで、資料をお手元に。

https://group.softbank/corp/irinfo/presentations/#29754


短信を見ると段階損益はこんな感じ。

・売上高 7.1兆(前年 6.8兆)
・営業利益 1.9兆(前年 1.1兆)
・当期利益 1.5兆(前年1.0兆)

おいおい、相変わらずのお化けかよと。
しかし、この営業利益の前年比とかもう投資家からしたら
どうしようもないですよね笑

資料の3ページの業績ハイライトを見ると、

営業利益の構成要素について、

ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドの営業利益が8,088億円: Uber, OYO, WeWorkなどの投資先の公正価値増加の一方、NIVIDIAの株価下落が評価益を2,995億円押し下げ

2019/2/6公表_決算短信より

・・・・スケールでかすぎワロタ。

ホントこんな投資決められる人間あたまどうかしている。絶対。
そしてその下のその他の損益の段階では、

デリバティブ関連利益5,446億円: アリババ株式関連で3,659億円計上の他、NIVIDIA株式関連で2,495億円の利益を計上

2019/2/6公表_決算短信より

ふむふむ、と。
おいこのNIVIDIA株何があった!
FY2017の決算は彼らが支えてくれていたはず。

FY2018の1Q/上期のソフトバンクの決算書類を追っていない、
新聞を読まないので、何があったか全然わかりませんが、
とりあえず、この動きに驚きを隠せざるを得ない。。

そして何と言っても、3Qのイベントといえば、
ソフトバンクの上場ですよね。
子会社ステータスのままの持分の変動は
資本剰余金の取引になるので、当期利益には影響しませんが、
お金は入ってきます。もちろん。
ホント孫さんやりたい放題笑

元々100%保有していた株式のうち33.50%を売却し、
手元金を2,349,832百万円受領しました、と。

一、十、百、、、、2.3、、、え、、、

もう桁がすごすぎて意味不明。国ですやん。
といった感じ。

この3ページ目だけを見ても非常に興味深いのですが、
この先も読めば読むほど味わい深いのですな。

a.連結経営成績の概況

というわけで、4ページに目を移し、より細かな概況説明へ。
適宜解説を加えて、ちゃちゃをいれたいところに入れてきます。

(b)営業利益(ソフトバンク・ビジョン・ファンド及びデルタ・ファンドからの営業利益を除く)

上述の面白会計処理を観察する前にまずここなんですが、
SVF以外の営業利益で前年同期比で+1,378億の1.05兆円と。

まぁこれぱっと見だと異常にすごい数値が出ているな、
と思うわけなんですよ。

なぜなら単純に考えて、
通常のオペレーションを続けているだけで、
1兆規模の営業利益の中で1400億も増益って、
さすがに考えにくいですよね。

と、いうわけでどこで損益が出ているのか?というのを見に行きます。
そうすると4ページのすぐ下に、
アーム事業で1,591億円の増益とあります。

これだ、と検討をつけるわけです。
そこでアーム事業について見に行くわけです。
そうすると16ページ目に記載があって、

ここには

Arm Chinaが子会社から持分法適用会社となったことに伴い、支配喪失に伴う利益176,261百万円をその他の営業利益として計上したことによるものです

2019/2/6公表_決算短信より

これは恐らく、所謂連結区分の変更に伴う、
持分の再評価によるものだと思います。
要は営業取引の伸長とは別の要素で測られる一過性の利益です。

で、この処理により営業利益が1,763億円をかさまししているわけです。
つまりこれがないと営業利益は前年比△172億円程度なんでしょうね。

これくらいがたぶん妥当な増減なんだろうなぁと思える、納得感のある数字です。

というわけで、増減に大きな理由がある時はその理由を考えた方がいいです。
イケメンなのにいい年して結婚していない男はどこか裏があるはずです。
業態と利益規模に違和感があれば
そこはとことん見ていくべきですよね。

(c) ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタファンドからの営業利益

これは毎度お騒がせのやつですが今回は大型トピックが3点ほど、
ここのセグメントであります。

そもそもこのファンドの特徴的なのはこのファンドで認識する収益を
営業利益とその他の損益で認識しているということです。

(ここも追って纏めねば・・・)

Flipkart売却

インドのユニコーン企業の一つFlipkartをWalmartに売却しました。
これインド側でも非常に話題になっていました。
独禁法がどうだとか、規制がどうだかとか。
全然関係ないですけど、本当に早く小売企業の外資規制なくなれ!

Flipkartの売却益は146,682百万円とのこと、
すごいなぁ、先見の明有りすぎ。

ただ、これは売却しているだけだから大丈夫、
処理としては至極単純。

あとはこの1,470億の裏にはどれだけの
悲しく散っていった人がいるか?に思いを
馳せたいところです。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1805/10/news056.html

NVIDIA株式評価損について

昨年、屋台骨を支えてくれていたNVIDIA株がとりあえず下落。
一緒に添付がなされているスライド上では、

仮想通貨の下落や米中景気の減速による
業績不振を受けた株価下落という状況の様で、
第三四半期に一気に3,000億円のマイナス。

ただ、同時に価格下落のヘッジの為のデリバティブ契約も締結しており、
3,000億のマイナスを2,500億まで打ち消しています。

素晴らしい。

そして極めつけにはこの4Qにすべて売却済みの様。
昨年までの人気者が1年でお払い箱。
非常につらたんな芸能界みたいな世界ですな。

公正価値評価を一体どのように実施しているのか

最後ここが最も闇深いポイントになるのですが、
21ページに記載あるように
ソフトバンクビジョンファンドの投資先には
上場している株と上場していない株があります。

大所は上場株式でいえば、NVIDIAです。
上場していないところは、OYOなりUBERなり沢山あります。
というかほとんどの企業は上場していないです。

ですが、20ページのセグメントの説明を見ると、

ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資の未実現評価利益は、当期第三四半期において当社から取得したUberへの投資について、移管価格からの公正価値の増加を認識したほか、OYOやWeWorkなど複数の投資先の公正価値が増加したことによるものです

2019/2/6公表_決算短信より

と。てことはですよ、

これって恐らく保有している株式の評価をすべてはじいて、
企業価値を計算しているわけですよね。

上場企業であれば期末の株価があるからいいですけど、
非上場企業の公正価値を測るということは
何らかの将来的なキャッシュフローの前提を置き、
一定の割引率で現在価値に引きなおし、
価値を計算するというプロセスをとおっているはずです。
だからここの計算ってかなり鉛筆なめなめしながら、
調整が出来てしまう項目では有るんですよね。。。

これっていったい
どうやって公正価値を評価しているんでしょうかね、
この計算方法とか教えてもらいたいですよね。

さもないと金額の変動が大きいくせになにがあるかわからない、という。

実際今回の決算だって、
SVFのセグメント利益 (= 営業利益段階) は
前年比+5,723億円の+8,088億円、

しかもここには
上述NVIDIAの評価損も3,000億円も含まれているわけです。
つまり、上場株の大所がNVIDIAだとしたら、
各非上場会社の評価で約11,000億円強の+があるわけですよね。。。
極端なこと言うと、鉛筆ころころで決まる可能性も有る。

こうなってしまうと、+11,000億円もの利益が計算によって、
生みだされてしまうとなれば、
当期純利益の持つ意味は何なのでしょうかね、
と考えさせられてしまいます。
まぁ見ている方は非常に面白いのですが笑

もちろん投資家向けの資料を見ると
同じページに Evaluation Policyを載せていて、
Big4はじめとしたEntityと共同で算定しているようではありますが。

とはいえ、よりキャッシュフロー、
企業の価値に目を光らせる必要がでるのでは?
と思わせる決算短信でした。

(h)デリバティブ関連取引

ここは簡単にさらっと。

合計で5,446億円の利益となっていますが、
前年の取引は4,852億円の損失で、前年比+1兆円超え。

前年比+1兆円笑(大事なことなので2回言いました)

内訳は①アリババ株を利用した借入と
上記②NVIDIA株式に関するデリバティブ。

FY2017の決算同様、
アリババの株価が上がれば損が出るし、
アリババの株価が下がれば益が出る。

昨年度からアリババの株が下がっていることもあり、
put optionが大きな利益を出している模様。


まとめ

というわけで、
今回はまたいろいろあった四半期短信とその添付資料でした。
もう前年比の規模が1兆円とかだから本当に意味が分からない笑

異次元過ぎて、これ普通の人は買いに行けないですよね。。
あと、ソフトバンクのすごいところは財務的な話です
よくこんな思い切った投資戦略や調達方法を利用するな、と思う次第。

ちょっと一旦経理処理は離れてそのあたりのファイナンスの
内容を見ていきたいと思う次第ですね。

最近ソフトバンクの財務諸表ばっかり見ていて普通に
入社したくなってきた笑

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