Contents
評価・おすすめ度
著者:細田朋弘
おすすめ度:5/5
[amazon asin="B07H6RJ341" kw="僕はバックパッカーになりたくて世界一周の旅に出た: アジア編 (紀行文)"]
簡単な紹介
著者がとても気に入っている、
タイのコムローイ祭りの写真が
表紙とされている。
ランタンを飛ばすお祭りで、
とても綺麗なその情景をみるために
世界各国から観光客が集まるお祭りだ。
3年半世界を旅した著者の旅行記で、
現代版の深夜特急と言ってよい。
著者は観光地だけでなく、
小さな町にも訪れ、ゆっくりと世界を
まわることで、現地の人の生活を
感じる旅をしたかったらしい。
そのため、3年半の長い旅の中で
訪れた国は50か国ほど。
これでも多いが、バックパッカーとしては
とても少ないのだそう。
今回の本は、その著者の旅の最初の7カ月程度
アジア編が綴られている。
現代版「深夜特急」
沢木幸太郎の時代ではないので
ネットで情報は調べられるし
Mapだって簡単に手に入る。
それでも、途上国の旅はまだまだ
試練がたくさんある。
だまされることもあるし、
物を盗まれることもある。
実際著者はバックパックを盗まれ、
バックパッカーならぬ
リュックサッカーとなってしまったらしい。(笑)
そして旅人との出会いもたくさんある。
1人旅と言っても毎日こんなにも
多くの人と出会い、
そして人と出会うというのは
こんなにも心が動かされるのかと
読んでいて改めて実感させられる。
本当に沢木幸太郎の世界が
現代にもあるのだ。
そう感じた。
粗いがそれがいい。
この本はKindle版しかない。
というのも、これは
出版社を通したわけではなく
著者が一人で書き上げたもの。
そして著者は本の出版は初めて。
素人だ。
だから誤字もあるかもしれない。
実は3カ所誤字がある。
すでに私が見つけた。(笑)
でも、それを踏まえても
この本は素晴らしい。
素晴らしいというか、
「素敵な」本というのが
あっているかもしれない。
読んでいて嘘がないし、
素直な飾らない著者の人柄が感じられる。
登場人物も全員良い人ばかりで
それは著者の目を通してみる世界だから
良い人だと感じる部分もあるのかもしれない。
例えば都会のぎすぎすした人間関係に
疲れた人には特におすすめだ。
ああ、そうだ。人にはこんなあたたかさも
あるよな。と感じられる。
特にそんなエピソードがあるわけでは
ないのだけど、なぜか
読み進めて心が温かくなる内容だ。
そして私が住んでいるインドについては
ちょっとくすっとしてしまう場面もある。
インド人の適当さに切れてしまうのだが
そうそうインドってこんなところ(笑)
と笑ってしまう。
そして2年弱住んだ今、そんなインドを
当たり前と思って過ごしている自分に
気が付いた。
インドに来た当初はインドの訳の分からなさが
嫌で嫌でたまらなかった。
話が通じない、理解できない人種だと思っていた。
今も理解できないことは多いけど
インド人ってそうだよね~と言いながら
憎めないでいる自分がいる。(笑)
執筆初心者が書いた本ではあるけれど
本当に濃い旅を通して、実体験をつづっているから
自分もそんな世界を疑似体験しているような気分になる。
一度読んでみてほしい。