イギリス生活

イギリスでの法人設立について。社長になりました。

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社長になりました。社長になるのは簡単でした。

突然ですが、社長になりました笑

9月からイギリスに住み始めて早5か月。語学学校が終了した12月過ぎくらいから自営業として活動を始めてました。現地で仕事をもらうのは非常に大変ですし、そもそも忙しいのを避けるためにイギリスに来ていることもあるので(←)、あまり積極的な営業もしていないのですが、ありがたいことに友人のつてなどでちょこちょこ仕事をいただいておりまして、非常に助かっています。

そんななか、ある取引先とのやり取りの中で、お客様の内規上、フリーランス相手では契約を結ぶことができず、会社を作る必要があるという話を受けました。「正直、おいおい面倒くさいな、、、」とは思ったのですが、取引のご担当者からイギリスでの法人設立は非常に簡単で、ネットですぐできる、という話をもらいました。で、調べてみると非常に簡単かつ、整然としたシステムがイギリスにはあることがわかりました(←大げさ?)

Companies Houseというシステム

自分がイギリスに来るまえに思ったのは、イギリス政府のHPはよく整備されているな、ということでした。もしかしたら、海外からの流入者が多いからそうなっているのかもしれませんが、VISAの申請の際ともそうでしたし、コロナのrequirementがどうだとか、というのも政府のサイトで簡潔にかつ十分な情報が記載されているな、というのを思いました。

で、そのイギリス政府のシステムの最も整っている例として挙げられるのが、このCompanies Houseの制度だと思います。このサイトざっくり言えば、イギリスのすべての会社(上場・非上場問わず)がregisterされていて、役員情報や財務諸表等がすべて見れます。

https://www.gov.uk/government/organisations/companies-house


また、このサイトすごいのは、過去の記録等もさかのぼれることです。
商社決算ウォッチャーの皆様(?)の記憶に新しい、2019年度末の伊藤忠商事 vs 三菱商事の税後損益対決。軍配は三菱商事にありましたが、その最たる要因は「銅事業関連の繰延税金資産」の計上でした。繰延税金資産は三菱商事本体での英国子会社(=チリの権益を保有)MC RESOURCE DEVELOPMENT LTD.に対する剰余金持分に対する税効果と思いますが、その英国子会社の財務諸表も今もまだ公開情報として吊るされています。

https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/company/07625020

いつまでこの情報が使えるのかわからないのですが、こういう情報があると、我々のような一般人もさることながら、税務調査官等はもっといろいろ突っ込んで中身をみることができてしまいますよね。

会社設立について

かなり親切なイギリス政府のサイト

で、こんな感じで会社の届け出が政府に対して行われ、政府がそれを管理しているのですが、会社の設立の代行をしてくれる会社も政府のサイトで探すことができます。これ当たり前のようにやっていますが、結構画期的じゃないですか?日本だと官と民の癒着がどうか、とかそういう点が議論されて、なかなか進まなそうなイメージです。

https://www.gov.uk/government/publications/formation-and-company-secretarial-agents/company-formation-agents-and-secretarial-agents

見るとわかるのですが、Agencyがばばーと並んでいます。どれがいいかまったくわかりませんね笑
下の写真は上から順番に表示されたものを張り付けただけなので、まだまだある感じです。

会社設立をお願いした121 company formation

大体どの業者も会社設立の手続きをいろいろ考えると1万円くらいはかかるイメージです。
色々ある中で結局、121company informationを選びました。理由は単純にサイトが見やすかったからです。サービスを選ぶ側になるとわかりやすさがいかに大事かわかります。

https://www.121companyformation.co.uk/?src=GovCoUK

料金プランはいろいろあるのですが、自分は結局、会社設立手続き一環と会社の住所を貸してくれるサービスを選択しました。会社の住所については、自宅を選択してもよかったのですが、大家さんにいろいろ良くしてもらっていることもあり、万一何かあったときにやだな、と思い、121company formationが提供するサービスを使うことにしました。彼らが提供するサービスは色々あって、帳簿を作ってくれたりするサービスもある様です。

自分の場合は、そもそも帳簿をつくるのが仕事みたいなところもあるのと、あまり複雑な会計処理は要しないこともあるので、そこは自分でやることとしましたが、事務手間に時間を掛けたくない経営者は積極的にサービスを利用するのが良いと思います。

会社設立にあたり個人でやらなければならないこと

会社を設立するにあたり個人でやるべきことは、社名を決めることだけです(笑)
あとはフォームに沿って記載していくだけ。これであなたも数時間後には社長になります。

そうそう、二点重要な点があります。
一点目は、会社の所在地はイギリスである必要がありますが、役員の居住地はイギリスでなくてもOKです。これは自分にとっては思わぬ副産物で、仮に来年妻の都合でよくわからない国にいったとしても、PE等のややこしい話を無視すれば、契約上はお客様との取引形態を変えることなくビジネスを続けることができる、という点です。
二点目は、会社の銀行口座と個人の銀行口座をわける法定要件はありません。銀行口座を開設するのは厄介なイメージがあったのですが、この点は救われました。個人口座としっかり分けて管理しないといけないのは言わずもがなですが。

会社設立後

まだ正直設立後何をすればいいか理解できていないのですが、まず納税関連の手続きをしなければならないようです。この辺りは追って勉強ですが、とりあえず会社を設立して、社長になるには数時間の手続きでできるよ~、というお話でした笑

ちなみに、会社設立後は、自分で選択したAgentがCompanies Houseへの登録を代行してくれるのですが、登録完了後は自分の会社名及び氏名をサイト上で見ることができます。これは結構感動しました。

もしかしたら、日本でもこんな簡単に会社を作れるのかもしれません。日本に帰ったら試してみたいと思います。

第2版 一人でできる定款作成から会社設立登記まで

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