【丸紅】FY2018の決算は9%増の2,309億!

会計Topic
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安定的に利益を積み上げる丸紅

丸紅の利益は昨年比で196億円増の2,309億円でした。
それでは決算短信片手にどうぞ!

決算短信 | IR 投資家情報 | 丸紅株式会社
丸紅のIR 投資家情報の決算短信をご紹介します。


収益 7.5兆 前年7.4兆
売上総利益 7,297億 前年6,772億
営業利益 1,730億 前年 1,180億
当期利益 2,309億 前年 2,166億

利益は2,000億円規模。
5大商社の中では最下位ですが、
やはり安定して利益を積み上げています。

PL上のTopic

7大商社で唯一の収益のマイナスの丸紅

収益が減っている商社は丸紅だけでしたね。

各商社と同様に
収益認識に関してIFRS15号を適用しておりますが、
丸紅のケースでは会計基準の適用による影響金額等の記載はありません。
IFRSの過年度の表示方法としては、
表示される最も古い期間の期首の利益剰余金を調整し、
影響額を記載する必要があるはずなのですが、ちょっと見当たりませんね。。
影響が非常に軽微、という整理でしょうか。

ちなみにセグメント的には輸送機で700億円程度のマイナスがあったようです。
輸送機セグメントで保有している連結子会社が
持分法会社になったことによる影響もあるようです。

収益減にも関わらず売総は500億円の増!

収益は減少している一方、売総は500億円増加しています。
上記の連結区分の変更を含む輸送機セグメントでの売総の減少は130億程度。

金属・エネルギーのセグメントや素材セグメントでの市況の改善がありそれぞれ、
284億円、231億円の売総の増益がありました。

今回の決算で言えば、
エネルギーセグメントは各社油価の上昇を売総の好転の要因にあげていました。
特に素材に関していうとパルプの市況によるもののようです。
パルプの市況って、金属やエネルギーに比べてあんまりイメージわかないですね。。。

その他の損益

固定資産評価損

△126億円 ▲52億→▲178億

こちらエネルギー・金属に関しての減損のようです。
売総の要因では金属・エネルギーセグメントでの増益なのに、
固定資産の評価ではここがマイナスになっているのはちょっと不思議な感じ。

基本的に減損がどのようにして計算されるか?というと、
そのビジネス(固定資産)が将来どれだけ利益を生み出すかどうか?
というのを基準に判断するわけです。
なので、そのビジネスの前提となるコモディティの価格が上がれば、
基本的に利益が生まれることが予測され、減損は入らないはずなのです。

減損の入ったコモディティと価格の上昇したコモディティは内容が違う、
ということなのでしょうかね。

その他の損益

+459億円 ▲351億→108億円

金額的には非常に大きいのに記載が全然ない、、、
が、第三四半期の有価証券報告書を見てみると少し記載があり、
一部国内発電事業を売却したことによる利益とのことで、
その利益額は136億円とのこと。
他には為替損益等もこの項目にて認識されるものと思います。

持分法損益

△622億円 1,485億円→853億円

前年比で大きくマイナスが出ています。
1-3Qまでは1,133億→1,077 億だったのですが、
単4Qで大きく食料の持分法会社で大きくマイナス。
食料セグメントの1-3Qの取り込みは52億ですが、年間の累計は▲247億。
電力プラントでも200億規模のかなり大型の減損が入ってます。
特にプレスリリースを見る限り適時開示はされていないようです。

今回は1-3Qまでの取り込みの状態を比較すれば、
前年比マイナスの背景は持分法投資の取込悪化と判断できます。
ただ、前年比でマイナスとなっていても連結区分の変更によるマイナス、
ということも可能性もありうるので、増減の背景はよく考える必要があります。

例えば、持分法投資→連結子会社に取り込み方法が変更となることで、
これまで一行で連結していたPL/BSをフルで取り込む必要が出てくるわけです。
そうすると財務諸表上の見え方は大きく変わってきてしまいます。

このあたりどのような表示の変更があったか?
どのような連結区分の変更があったか?というのは
財務諸表を捉える上でよく吟味するべき内容ですね。

その他Topic

包括利益を底上げするその他包括損益

豊田通商の決算短信でも述べましたが、
商社の決算は当期純利益ばかりを気にするPL学園
と影で呼ばれています。

その最たる例としてあげられるのが、
IFRS上の損益表示の区分を利用した投資減損を
当期純利益から除外する会計処理の方法。勿論基準内の話。

IFRS上ではFVTOCI金融資産と呼ばれる資産に区分される投資は
全てその他包括損益(OCI)を通じてその公正価値の変動が認識されるので、
当期純利益に反映されません。

なので、極端な例を言えば、
持分法の投資をFVTOCI金融資産に変更し、
そのあとに損益を認識すればPLを何も傷めずに投資の処理ができるわけです。
勿論、ルールの範囲での話です。

上記のような事情があることから、
商社の決算は当期純利益は大幅黒字でも、
その他包括損益は真っ赤かなんてこともあるわけです。

ただ、今季の丸紅の決算は
当期純利益 +2,309億
その他包括利益(OCI) +400億
包括利益 +2,709億

という形でした。

このその他包括利益は、
単純に言えば、未だ実現していない損益、
すなわち資産に対する評価がどれだけ動いたか?を表しますが、
この未実現利益のうち、
将来資産の売却などを通じて損益が確定した時に
PLを通る内容なのかPLを通らない内容なのか?
という点で二種類に分類されます。

で、今回の丸紅の包括利益を見てみると
将来PLを通り実現されるOCIが600億程度、
将来PLを通らないOCIが▲200億程度となっており、
このままのマクロ環境が続けば丸紅にとっては(PL学園でいる限り)、
大きなチャンスとなりうると言えます。

ちなみにこの600億円のプラスのうち、
その大半は為替換算調整といい、
外国の子会社に投資をした際の為替レートと実勢の為替レートの差によって発生する評価です。
これはその投資を保有し続ける限りPLとしては実現しないのですが、
将来、その投資を売却などにより手放した際に
有価証券損益などの項目で当期純利益の内訳としてPL上に現れます。

丸紅的には為替環境など
今の経済状況は変わって欲しくないでしょうね笑

終わりに

これで7大商社の全てについての記載が完了しました。

長かった!笑

しかしながら他の商社に関してあまりここまで詳しく考えることはなかったので、
とても良い機会でした。2019年1Q以降も体力が持つ限りは頑張っていきたいです。
あとはGAFAなどの決算内容についてもみていきたいですね!


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