読書録

読書録2 『条文の読み方』第二版 法制執務・法令用語研究会 有斐閣

仕事に関連する本です。
現在税金関連の仕事をしており、
法人税法や消費税法を始めとした各法律と日々格闘しておりますが、
この本はすべての法律に通ずるルールの解説本です。

日本の法体系は下記の様になっています。
・憲法: 1件
・法律: 2,050件←国会が制定
・政令:2,250件←内閣が制定
・府令・省令:4,100件←各府省大臣が制定

法人税関連でいえば、
法律: 法人税法
政令: 法人税法施行令
省令: 法人税法施行規則←財務省の省令
といった感じですね。
そういえば、年末になると税制改正に関する国会承認が下りるか下りないか、上の人たちが気にしていたな~。

参考になった個所を下記数点記載。
P79. 読点のルールについて。
法律文書は主語・述語の関係をとらえることが重要ですが、読点がその理解の役に立つことが例示されております。
P93.「その他」「その他の」の使い方の違いについて。
先日、主税局で法律を作っていたという方とお話する機会があり、「法律に記載される言葉が異なれば、異なる意味を持つ」という点を強調されていたことを思い出しました。「その他」「その他の」で戸惑うことは実務上いままで発生していないのですが、「経過する日」「経過した日」の使い分けのように、言葉が少し違うだけで全く違う判断結果になりうるという点を意識しながら、今後も業務に対応していく必要があると感じました。
P112「・・・の日から〇日」「・・・の日から起算して〇日」の使い分けについて。
この用語も初見殺しだと思います。
原則、法律上の日数計算は民法140条に則り、初日をカウントしません。(初日不算入の原則)
特別の日から「起算して」と記載ある場合に限り、初日をカウントする必要があります。

・・・・・
みたいな感じで、複雑な法律文書の読み方を手ほどきしてくれるのがこの本です。
税法には国税通則法という、税法における一般法も定められるのですが、
実務に困った場合には適宜この本を参照するのもよいかと思います。

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